戦時国際法において背信行為とは、敵の信頼を裏切る目的を持ちながら敵の信頼を誘う行為であり、禁止されている。背信行為の禁止は中世の騎士道に由来し、慣習国際法として確立され、1907年にはハーグ陸戦条約、1977年にも第1議定書で記された。その具体的な行為としては、赤十字旗などを揚げながらの軍事行動、休戦旗を揚げながら裏切る行為、遭難信号を不正に発信する行為などが挙げられる。
非戦闘員の保護 [編集]
非戦闘員とは降伏者、捕獲者、負傷者、病者、難船者、衛生要員、宗教要員、文民であり、これを攻撃することは禁止されている。非戦闘員は保護対象であり、これを無視して危害を加えることは戦争犯罪である。
まず降伏者及び捕獲者は、これを捕虜としてあらゆる暴力、脅迫、侮辱、好奇心から保護されて人道的に取り扱わなければならない。捕虜が質問に対して回答しなければならない事項は自らの氏名、階級、生年月日、認識番号のみである。
また負傷者、病者、難船者も自動的な取り扱いを受け、可能な限り速やかに医療上の措置を受ける。衛生要員、宗教要員も攻撃の対象ではなく、あらゆる場合に保護を受ける。
文民とは、交戦国領域、占領地での敵国民、中立国の自国政府の保護が得られない者、難民、無国籍者である。全ての文民は人道的に取り扱われる権利があり、女性はあらゆる猥褻行為から保護される。文民を強制的に移送、追放することは禁止されている。
これらは、1949年のジュネーブ諸条約と1977年のジュネーブ条約追加議定書?と?において定められている。
戦争犯罪 [編集]
戦争犯罪 (War crimes) とは、軍隊構成員や文民による戦時国際法に違反した行為であり、かつその行為を処罰可能なものを言う。
交戦国は敵軍構成員または文民の戦争犯罪を処罰することが出来る。
また国家は自国の軍隊構成員と文民の戦争犯罪を処罰する義務を負う。戦争犯罪人には死刑を処すことが出来るが、刑罰の程度は国内法によって定められる。
特に重大な戦争犯罪として考えられるものとしては、非戦闘員への殺害・拷問・非人道的処遇、文民を人質にすること、軍事的必要性を超える無差別な破壊・殺戮など様々に考えられる。
1998年には、戦争犯罪等を裁く常設裁判所として国際刑事裁判所規程が国連の外交会議で採択された。
中立法規 [編集]
交戦当事国とそれ以外の第三国との関係を規律する国際法である。中立国は戦争に参加してはならず、また交戦当事国のいずれにも援助を行ってはならず、平等に接しなければならない義務を負う。一般に、次の3種に分類される。
回避の義務
中立国は直接、間接を問わず交戦当事国に援助を行わない義務を負う。
防止の義務
中立国は自国の領域を交戦国に利用させない義務を負う。
黙認の義務
中立国は交戦国が行う戦争遂行の過程において、ある一定の範囲で不利益を被っても黙認する義務がある。この点について外交的保護権を行使することはできない。
中立主義、武装中立、および非武装中立も参照
スイスの事例 [編集]
スイス
永世中立国として有名なスイスは、第二次世界大戦においても中立を守った。ただし、中立を守るために相応の努力をしている。領空侵犯に対しては迎撃を行い、連合国側航空機を190機撃墜、枢軸国側航空機を64機撃墜した。スイス側の被害は約200機と推定されている。
履行確保 [編集]
条約の一覧 [編集]
多国間で条約化された戦時国際法の一覧。[8]
ジュネーブ諸条約 [編集]
1949年8月12日のジュネーブ諸条約
戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第1ジュネーブ条約)
海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第2ジュネーブ条約)
捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第3ジュネーブ条約)
戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第4ジュネーブ条約)
ジュネーブ諸条約の追加議定書 [編集]
1977年のジュネーブ諸条約の追加議定書
1949年8月12日のジュネーヴ諸条約に追加される議定書(第1追加議定書)
1949年8月12日のジュネーヴ諸条約に追加される議定書(第2追加議定書)
2005年12月8日のジュネーヴ諸条約に追加される議定書(第3追加議定書)
児童の権利保護 [編集]
武力紛争における児童の権利保護
文化財の保護 [編集]
武力紛争の際の文化財の保護に関する条約
戦闘手段に関する条約 [編集]
陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約
開戦ノ際ニ於ケル敵ノ商船取扱ニ関スル条約
商船ヲ軍艦ニ変更スルコトニ関スル条約
自動触発海底水雷ノ敷設に関スル条約
戦時海軍力ヲ以テスル砲撃ニ関スル条約
海戦ニ於ケル捕獲権行使ノ制限ニ関スル条約
武器類の禁止・制限に関する条約 [編集]
対人地雷の使用、貯蔵、生産及び委譲の禁止並びに廃棄に関する条約
化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約
過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約
過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約に付随する1996年5月3日に改正された地雷、ブービートラップ及び他の類似の装置の使用又は制限に関する議定書
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約
細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約
窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止関する議定書
窒息セシムヘキ瓦斯ヲ散布スルヲ唯一ノ目的トスル投射物ノ使用ヲ各自ニ禁止スル宣言書
外包硬固ナル弾丸ニシテ其ノ外包中心ノ全部ヲ蓋包セス若ハ其ノ外包ニ截刻ヲ施シタルモノノ如キ人体内ニ入テ容易ニ開展シ又は扁平ト為ルヘキ弾丸ノ使用ヲ各自ニ禁止スル宣言書
中立等に関する条約 [編集]
開戦ニ関する条約
陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約
開戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル条約
国際組織等に関する条約 [編集]
国際連合憲章
国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約
海洋法に関する国際連合条約
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